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外国人事業法(1999年改正、2000年3月施行)に基づき、規制業種を3種類43業種に分け、それらの業種への外国企業(外国資本50%以上)の参入を規制している。
建設業は規制業種(ただし、外国人投資が5億バーツ以上で、特殊な技能を要する建設(インフラ、通信など)、その他の省令で規定された建設業を除く)
2023年1月3日より施行されたタイ投資委員会(BOI)の新投資奨励策(投資委員会布告第8/2565)では、外国企業出資比率について、次のように定めている。
タイにはプロジェクトオフィス制度は存在しない。現地法人または支店の設置が必要である。支店形態で事業を行う場合も外国人事業法の適用対象となるが、公共事業案件以外の通常の民間工事案件では同法上のライセンスの取得は困難であるため、支店形態は通常利用されない。
公共事業
商務省が外国人事業法の許可基準に関するガイドラインを公表しており、外資企業が当該基準を満たせば許可を受けることが実務的に可能である。
〔規制業種〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る タイ 投資制度 外資に関する規制」(2024年01月10日)
〔工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け〕
日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所「建設・工事に関する制度(タイ)」(2014年02月)
建設業について登録や許可を求める建設業法は存在しない。
ただし、建築やエンジニアリング業務を行う場合には、事業者は、それぞれ建築士法(Architect Act B.E. 2543(2000))およびエンジニア法(Engineer Act B.E. 2542(1999))に基づくライセンスを法人として取得する必要がある。いずれのライセンスも事業者の本店所在地がタイ国内にあることが求められる。外資比率に関する規制はなく、外資企業も取得できる。
ただし、取締役の半数以上(エンジニア法に基づくライセンスについては、取締役の半数以上または Managing Director)がライセンスを有するタイ人でなければならない。
Building Control Act.B.E.2252 「Chapter3 Construction, alteration or demolition, removal and replacement of the building」
日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所「建設・工事に関する制度(タイ)」
国内法人であれば、通常の政府調達工事を受注できる。
公共工事は競争入札が一般的である。
民間工事においては、原則、競争入札だが、指名入札の場合もある。
Foreign Business Act B.E.2542(1999)によると、外国企業は現地法人を設立していなくても、下記の入札参加条件に該当すれば政府調達工事を受注できるとされている。
国際競争入札の場合は、事前資格審査を実施し、その審査に合格した入札企業が、施工計画含む技術提案書(technical bids)と工事金額が記載された価格提案書(financial bids)とを区別して提出する(Two envelope 方式)。その上で審査が行われる。その後、入札企業の価格提案書のみ開封が行われ、原則、経済的に優れている方が落札者となる制度を採用している。(一部は、技術提案書と見積書の両方を同時に開封して、総合的に審査して最終落札者を決定する場合もある。)
NNA調べ(2017年9月)
タイ投資委員会「外国投資法(1999年)」
PUBLIC PROCUREMENT AND SUPPLIES ADMINISTRATION ACT B.E.2560(2017)
建設業技術者センター「平成23年度 海外における技術者制度調査業務報告書」
民間発注工事に関しては銀行による保証が一般的
民商法(Civil and Commercial Code)第七編「請負」において、下記が認められている。
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2017年10月)
エンジニア法(Engineer Act.B.E2542(1999))によって、Controlled Engineering Professionが定められている。これは省令に規定されるエンジニア専門職を指す。エンジニア専門職の定義は、土木、鉱業、機械、電機、産業などの分野における専門職。エンジニア専門職はエンジニア協会(Council of Engineers)またはエンジニア協会から認証を受けた機関に、エンジニア専門職としての証明書や規定条件のライセンスを受けなければならない。
建築家やエンジニアの資格を得るためには、規定されている学歴や実務用件を満たした上で、タイ建築家評議会(ACT:Architect Council of Thiland)がAssociate architect)の試験に合格する必要がある。
資格を取得した後には2年または5年ごとに会費を支払い、登録を更新する必要がある。
タイ・エンジニア委員会「関連法規」
建築技術教育普及センター「建築士制度等に関する資格・教育の国際比較検証業務欧州等~」-25年度調査の概要-
2020年6月20日施行の法改正により、27業種については外国人就業禁止業種、3業種についてはタイが加盟している条約に基づく条件を満たす外国人のみが就労できる業種、 8業種については従業員としてのみ就労できる技能労務・準技能労務の業種、および2業種については従業員としてかつタイ政府と外国政府との間の合意書(MOU)に基づいて タイに入国した外国人のみが就労できる業種に指定された。
次の3業種については、その地域を問わず、タイが加盟している条約に基づく条件を満たす外国人のみが就労できる業種である。 会計の管理、監査、サービス 土木エンジニア 建築士
外国人が労働目的でタイに入国し、その後でワークパーミットを申請する場合、まずノン・イミグラントビザを申請する必要がある(移民法)。
入国時に90日間の滞在許可が与えられ、ワークパーミット取得後、滞在許可の延長ができる。BOIの投資奨励企業であれば、ワークパーミットの取得は比較的容易にできる。
入国管理局は、雇用主である企業に、外国人1人のビザ延長資格を得るために、最低4名のタイ人を雇用することを求めている。
BOI(タイ投資委員会)は、雇用局および入国管理局と協力し、2018年1月1日から、外国人労働者がビザと労働許可を申請するための「シングル・ウィンドウ・システム」という新しい電子サービスシステムを導入した。このシステムで、BOIに奨励されている企業が、オンラインシステムを通じて一度に3つの当局に申請書を提出できるようにすることで、労働許可とビザの取得に要する時間とプロセスが大幅に削減された。申請が承認されると、会社はシステム内で予約を取ることができ、外国人労働者がワンストップ・サービスに出向いて就労許可証とビザを取得できるようになる。
また、外国人労働者はスマートフォンで開けるデジタル労働許可証を受け取ることができるようになる。ただし「シングル・ウィンドウ・システム」は、バンコク、チェンマイ県、プーケット県で申請するBOI奨励企業にのみ適用されている。
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る タイ 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」(2023年8月17日)
国が定めた建築規制法Building Control Actに基づき、各地方政府が個別の許認可等を運用している。
一般社団法人建築・住宅国際機構「海外の建築規制」
125(2022年)、137(2021年)、135(2020年)、135(2019年)
(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)
66,331社(2021年)
National Statistical Office「Statistical Yearbook Thailand 2023」
建設業就業者数208万人(2022年)
National Statistical Office「Statistical Yearbook Thailand 2023」
〔道路〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P239
〔鉄道〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P242
〔電力〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P249
〔上下水道〕
The World Bank「Improved sanitation facilities」
2019年7月に締結した、タイ輸出入銀行との再保険協定を基に、第三国における日本及びタイ企業によるエネルギー関連投資案件の協力を支援
タイでは、産業の高度化・高付加価値化を達成することを目的とした政策として、「タイランド 4.0」を発表し、同政策を実施するための具体的な方策として、新たな経済成長エンジンとなる産業 10 分野の投資誘致・育成や東部臨海地区(チョンブリ、チャチュンサオ、ラヨーンの東部3県)を対象とした「東部経済回廊(EEC)」経済計画を打ち出しており、新たな経済成長エンジンとなる産業10 分野の投資誘致・育成とともに、港湾、高速道路、鉄道、空港の拡張等インフラの整備が一体的に進められようとしているところ、関連案件の受注実現に取り組む。また、我が国技術の実証とリサイクル関連制度の政策対話をパッケージ化することで、適切な資源循環システムの構築を図る。
戦略的パートナーシップに基づく双方の利益増進及び地域の自立的発展の推進
経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(令和2年度改訂版)」(2020年7月9日)
NNA調べ(2017年9月)
海外建設協会調べ
(単位:億円)
外務省「ODA(政府開発援助)」
PwCコンサルティング調べ(2024年2月)
タイの道路、空港、鉄道等運輸行政を所轄している。
水資源分配、灌漑等の農業開発を所轄している。
自治体レベルの業務を所轄している。
PwCコンサルティング調べ(2024年2月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2017年10月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2017年10月)
World Bank「Doing Business」
各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に,関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等,インフラ海外展開の支援を担当している。
日本企業支援の取り組みを強化するとの日本政府の方針の下、政府機関としての公平性・中立性を損なわない範囲で、個別企業の問題も含め、日本企業の活動を積極的にサポートしている。
海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口
タイよりランクが低い国の割合(2022年)
World Bank「Worldwide governance Indicators」
首相府国家経済社会開発庁
(NESDC:The Office of the National Economic and Social Development Council Office of the Prime Minister Bangkok, Thailand)
「持続可能な価値創造経済社会の進歩型社会」に変革することを目的として、発展の方向性を定めている。この目標を達成するために、5つの主要な開発目標は次のとおおり。
タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)「第13次国家経済社会開発計画」
概要:橋梁の予防保全のための点検・診断・補強のシステム開発、リスクマネジメント手法の開発、人材育成プログラムの開発を行う
国際協力機構(JICA)「ODA見える化サイト」
バンコク~チェンマイ間(約 680km)に新幹線システムを整備する事業。第一期として、バンコク~ピッサヌローク間の約 380km を整備
ドンムアン空港~スワンナプーム空港~ウタパオ空港間(約 220km)(東部経済回廊(EEC)に立地))を結ぶ高速鉄道を建設する事業
既存のバンコク都市鉄道パープルラインを南部に約 23km 延伸する事業
既存のバンコク都市鉄道レッドラインを東西南北に合計約 54km 延伸する事業
円借款により整備中のバンコク都市鉄道レッドラインをはじめとした都市鉄道や空港線等のターミナル駅となるクルンテープ・アピワット中央駅の周辺(約 372ha)を整備する都市開発事業
東部経済回廊(EEC)プロジェクトの一環として、ラヨーン県南西部に位置するウタパオ国際空港を拡張及び運営する事業
バンコク都心の高速道路網の渋滞解消のため、タイ運輸省が構想するチャオプラヤ川の地下を通る道路トンネル計画(ナラディワット~サムローン間、路線延長約 10km)
国土交通省「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画(令和5年版)」(2023年6月)
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