受け入れ国・地域のご紹介

ベトナム

(1)ベトナムの概要と歴史

インドシナ半島の東側に位置し、南シナ海に沿って伸びるベトナム。国土は山脈や高原地帯に包まれ、その合間にある平地地帯に町が集中しています。主な平地地帯は3つで、ハノイを中心とした北部、フエやダナンなどハイヴァン峠に広がる中部、ホーチミンを有する南部です。北部は寒暖差の激しい亜熱帯気候、中部は台風や洪水などの多発地帯、南部は年間を通して27~28度の暑い地域と、都市ごとに気候が異なります。内乱や国際的な戦争を繰り返してきた複雑な歴史をもち、その間に民族も多様化していきました。人口は9,344万人。現在は54種もの民族が共存する多民族国家となっています。

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(2)基本情報

国・地域名: ベトナム社会主義共和国
英 語 名 Socialist Republic of Viet Nam
主要都市: ハノイ(Hanoi)
言  語: ベトナム語(主要言語)
宗  教: 仏教(80%)、キリスト教(カトリック)、カオダイ教ほか
気 候 帯 北部:亜熱帯性気候。南部:熱帯モンスーン気候。
時  差: 日本との時差は-2時間。ベトナムの方が遅れている。
通  貨: ドン(VND)
査  証: 15日以内の観光は査証不要

パスポート残存有効期間:出国時6か月以上

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(3)教育プログラムの特徴やポイント

日本では経験できない多様性を感じ、成長途上にあるベトナム経済に触れることでグローバル化を知るきっかけとなります。

【ベトナム海外教育旅行のポイント】
  • 1. ベトナム戦争の爪痕を残しており、
     平和学習に最適
  • 2. ハロン湾、古都フエ、ホイアンなど世界遺産が豊富
  • 3. 治安・衛生なども整備され安心感がある
  • 4. 親日国であり、日本との教育交流にも熱心
  • 5. 自然に恵まれ、植林体験などのエコ学習に最適
  • 6. 政治体制の比較ができる
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(4)主な教育プログラムのご紹介

※記載のプログラムは新型コロナウイルス感染症拡大以前に実施されたプログラムです。
各国・地域の規制により中止されているプログラムが含まれています。

教育的意義のある史跡等見学
◆平和学習

ベトナムはこれまで幾多の戦争に見舞われてきましたが、その最たるものが1975年に終結したベトナム戦争です。中国やソビエト連邦が支援するベトナム民主共和国とアメリカの支援を受けたベトナム共和国が、北緯17度線を境に南北に分かれて行った戦争で東西冷戦の代理戦争ともいえるものでした。ホーチミン市内にはベトナム戦争をはじめとした戦争関連の施設が数多くあり、平和学習に最適です。

■体験スポット

  • 戦争証跡博物館:20世紀のベトナムの激動の時代、戦争の残虐行為や紛争の様子を展示しています。戦争について学ぶには必ず訪問すべき場所であり、写真や展示品により当時の様子を深く学ぶことができます(ホーチミン)。
  • 統一会堂:南ベトナム政権時代に独立宮殿とよばれた旧大統領官邸。1975年4月に、南ベトナム解放軍の戦車がフェンスを乗り越え、統一会堂に突入したことにより、ベトナム戦争は終結を迎えました。内閣会議室はじめ大小100以上の部屋を見学することができます(ホーチミン)。
  • クチトンネル:ホーチミンから北西へ約70km場所に位置するクチは鉄の三角地帯と呼ばれ、全長250mに及び地下にはりめぐらされたトンネルにより難攻不落とされていました。現在も一部残されたトンネル内部や、当時の生活が再現された場所を見学することができます。
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◆文化・歴史学習~ベトナムの歴史や日本との関係を知る

ベトナムは数千年の歴史から文化的富を継承し、また外部の影響を受けてきました。現在もベトナム人はその伝統と生活様式に強い誇りをもっています。フエとホイアンの中部都市は首都のハノイと同様、教育素材の宝庫といえます。
・ホイアン:ベトナムの古都で、世界遺産のホイアンの中心部に架かる小さな木造屋根付きのアーチ橋「来遠橋」は、論語の「朋あり遠方より来たる」から引用されたといわれています。この橋は1593年に当時ホイアンに居住していた日本人が架けたとされています。当時は徳川幕府の鎖国政策前で、ベトナム(安南国)は朱印船貿易の重要な相手国だったため、ホイアンには多くの日本人商人が住んでいました。ベトナムと日本との友好を示す橋として親しみを込めて別名「日本橋」と呼ばれ、今も大切にされています。

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学校や企業等訪問

ベトナムでは学校交流は教育省の管轄になります。近年日本からの教育旅行の受け入れには積極的です。ベトナムは2学期制であり、学期間の長期休暇である5月から8月、11月にある”先生の日”前後、1月下旬から2月のベトナム正月(テト=中国正月と同時期)は学校交流の設定が難しい時期です。現地旅行会社を通じての手配となります。
・Thu DucHight School校との交流
  - ホーチミン
・Marie Curie High School校との交流
  - ホーチミン

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探究型学習プログラム(現地フィールドワーク等)
◆農業体験

米や果物を作っている農家、鶏舎、その時期に作っているものを見学し、農家の方に話を聞きます。体験の場合も季節や人数により異なりますが、稲の苗の準備、田植え、米やフルーツの収穫などのプログラムがあります。大きいグループの場合には30人ぐらいで1グループとなり、どれか1つ、もしくは順番で全部の作業を体験します。(ホーチミンより90分)

◆アオザイ教室
 (UNIVERSITY OF TECHNICAL EDUCATION HO CHI MINH CITY)

2日間コースで、有名なアオザイを生地から作ります。経験のない人でも一から作成し、コース終了時にアオザイを受け取れます。教室は大学内にあり、2日間キャンパスライフを送ることができます。

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(5)海外教育旅行実施に向けて
(新型コロナウィルス感染症対策など)

ベトナムは新型コロナウィルス感染症が発生して以来、新規の発生を綿密に監視しており、市民と旅行者の安全を確保するための一連の包括的予防策を導入しています。

https://vietnam.travel/jp/plan-your-trip/health-and-safety(ベトナム観光総局オフィシャルサイトより)
https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/covid-19/chuan-bi-truoc-chuyen-bay/hanh-trinh-noi-dia
(ベトナム航空 国内の旅行規制)

(6)衛生状態

世界保健機構(WHO)は、ベトナム全土をマラリアの流行地域、一部の地域をペストあるいはコレラの流行地域としています。都市部ではマラリア感染の危険性は極めて低いと考えられますが、中部山岳地域を旅行する場合には、感染の可能性があることから、抗マラリア薬の予防内服等を考慮する必要があります。また、B型肝炎ウイルス陽性率が高く、性的接触によるものを含むHIV感染者が全国的に増加傾向にあり注意が必要です。
ベトナムでは一部の薬は入手が困難な場合があります。必要な処方薬は十分に用意して旅行するようにしてください。野生動物やペットと接触する場合、狂犬病に注意してください。
国公立病院は、近年医療技術や設備の向上がみられるものの、通訳等医療サービス面においては未だ日本人が満足できるものではありません。一方で、ハノイ市やホーチミン市では日系及び外資系の私立クリニックや病院がいくつか存在し、在留邦人もよく利用しています。しかし、入院を要する重篤な疾患や高度の医療技術が求められる場合にはタイやシンガポール、または日本への緊急搬送が必要となります。渡航前に高額な緊急移送費用も補償される海外旅行保険に加入することを強くお勧めします。

(7)治安

近年の経済発展による貧富の格差拡大や地方貧困層の都市部への流入等に伴い、治安状況は悪化傾向にあります。現在のところ、殺人、強盗等の凶悪犯罪の発生は少ないものの、外国人住居への忍び込み、繁華街周辺でのひったくり、スリや置き引き等の窃盗事件が発生しています。日本人旅行者も、空港、市場、路上、ホテル、レストラン等で旅券、現金などの貴重品の盗難被害に遭うケースが頻繁に報告されています。
【ひったくり】携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を手に持って歩いている人を狙い、後方からバイクに乗った犯人が近付き、追い越しざまに携帯電話等をひったくり、逃走するといった手口による被害が、日本人が多く集まる地区と言われるハノイのキンマー地区、リンラン地区等を中心に発生しています。
【スリ】路上や市場、大規模ショッピングモール等の混雑する場所及び長距離バスや列車等の車内において、バッグや財布、スマートフォンなどを奪われる被害が発生しています。気付かないうちにバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる事例もあります。
集団スリによる被害に遭う被害も発生しています。犯人グループは、被害者に怪しまれないよう取り囲み、1人が旅行者の注意を引いている間に、その仲間がバッグや財布を窃取するというもので、親しげに近付く女性には特に注意が必要です。また目の前で自転車をわざと倒して被害者の注意を引きつけ、その隙にポケットやバッグから財布をすり取る等の巧妙な手口もあります。
【置き引き】ホテルや空港、レストラン、大規模ショッピングモールといった多数の人が出入りする場所で、置き引き被害が発生しています。ホテルでチェックインの手続をしているときやロビーで人に話しかけられたとき、レストランでトイレに立ったとき、民族舞踊を観賞しているとき、公園のベンチで休憩しているとき、空港で出入国手続を行っているとき等に、バッグ等の手荷物から目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物から絶対に目を離さないことが肝要です。

(8)食事

ベトナム料理の特徴は、やわらかな塩味と旨味で、色彩、香り、味のバランスに優れています。ベトナム人は食べることが大好きで、各地域の豊富な特産と特別な食材を最大限に活用して食事を作っています。北部の食べ物はシンプルな味付けで知られています。中部の料理はスパイスと量が豊富です。南部人は砂糖を加えるのが好きです。ベトナムを旅行するときはいつでも、多種多様な味を楽しめます。
・フォー:フォーは一般的なベトナム料理であり、フォーという言葉は麺の意味。平たい米粉麺は、細長く切られた牛肉や茹でた鶏肉と一緒にヘルシーなだしで煮詰められます。澄んだスープが特徴で地域により使うハーブなどが異なります。 ・バインミー:バインミーは、ベトナム独特のサンドイッチで、具には漬物、新鮮なパクチー、焼き豚やソーセージ、キュウリが詰められます。歯ごたえのあるパン生地と、豊富な食材により作られる具が魅力です。