支払に疑問、不服がある場合には
損害保険会社(共済組合)による被害者や保険加入者への情報提供
損害保険会社(共済組合)は自賠責保険金(共済金)の支払について、書面により請求者に交付することを義務付けられています。これにより、自賠責保険金(共済金)の支払を請求する被害者または保険・共済加入者は適切に支払われているか自動車損害賠償保障法に基づく範囲内で必要な情報を入手することができます。
- 請求したときは、支払基準や自賠責保険金(共済金)の支払手続きの概要、紛争処理制度の概要。
- 支払われるときは、支払金額、後遺障害等級とその判断理由、重大な過失があると判断され減額される場合における減額割合とその判断理由、異議申立の手続き。
- 自賠責保険金(共済金)が支払われない場合はその理由。
上記に加え、必要な追加(詳細)情報も損害保険会社(共済組合)へ請求することができます。
異議申立
自賠責保険金(共済金)の支払金額(後遺障害等級)など損害保険会社(共済組合)の決定に対して異議がある場合には、損害保険会社(共済組合)に対して「異議申立」を行うことができます。異議申立事案は、損害保険料率算出機構に設置された自賠責保険(共済)審査会において外部の専門家が参加して審査が行われます。制度の詳しい内容及び具体的なお手続きについては各損害保険会社(共済組合)、または(一社)日本損害保険協会までお問い合わせください。
第三者機関による紛争処理制度
被害者または保険・共済加入者と損害保険会社(共済組合)との間で、自賠責保険金(共済金)の支払にかかる紛争が発生した場合に、通常の裁判による救済に比べて迅速な解決が図れるよう、公正中立で専門的知見を有する第三者機関として紛争処理(調停)を行う(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構が設立されており、調停を申請することができます。

(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構
相談窓口(電話番号) | 0120-159-700 |
---|---|
業務の取扱時間 | 9:00~12:00、13:00~17:00 |
休業日 | 土日・祝日、年末年始(12月28日から1月4日) |
詳細は、(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構のホームページ をご覧下さい。
国土交通大臣に対する申出制度
被害者または保険・共済加入者は、損害保険会社(共済組合)による自賠責保険金(共済金)の支払が支払基準に違反し、または支払基準の概要などの情報提供について、損害保険会社(共済組合)が書面の交付により適正な情報提供手続を行っていないと認めるときは、自動車損害賠償保障法第16条の7(国土交通大臣に対する申出)に基づき、国土交通大臣に対し、その事実を申し出ることができます。

申出対象は、次のとおりです。
自賠責保険金(共済金)等の支払が支払基準に従っていないとき
〈対象事例〉
- 給与所得者または事業所得者の場合に、休業損害が認められたにもかかわらず、最低日額である6,100円以上が支払われていないとき(パート・アルバイトの方の場合は除かれます。)
- 治療費が損害として認められたにもかかわらず、それに対応する慰謝料が支払われていないとき
- 12歳以下の子供の入院に近親者等が付き添ったにもかかわらず、看護料が認められていないとき
など
書面の交付を行っていないとき
下記1~3について、損害保険会社(共済組合)が該当書面の交付を行っていないとき
-
損害保険会社(共済組合)に請求したとき
支払基準の概要、自賠責保険金(共済金)等の支払手続の概要、紛争処理制度の概要 -
損害保険会社(共済組合)から支払われるとき
支払金額、後遺障害等級とその判断理由、重大な過失があると判断され減額される場合における減額割合とその判断理由、異議申立の手続 -
損害保険会社(共済組合)から支払われないとき
支払わない理由、異議申立の手続
書面による説明を求めたにもかかわらず、書面による説明を行わないとき
書面による詳細な説明を求めたにもかかわらず、損害保険会社(共済組合)が下記1~3の書面による説明を行わないとき
- 自賠責保険金(共済金)等の支払を行わないと判断した理由について、「因果関係事案整理票」などに基づく書面による説明
- 後遺障害等級の認定結果、または後遺障害の認定を行わなかったことについて、「後遺障害等級認定票」などに基づく書面による説明
- 自賠責保険金(共済金)の損害額から減額を行った場合について、「事故発生状況図」などに基づく書面による説明
国土交通大臣に対する申出を行う場合、特に様式に定めはありませんが、下記をご参照ください。
参照様式(PDFファイル)のダウンロード
参照様式(Wordファイル)のダウンロード
※送付先:〒100-8918 国土交通省 物流・自動車局 保障制度参事官室 あて
(個別郵便番号のため、住所の記載は省略できます。宛先のみご記入ください。)
国土交通大臣は、被害者または保険・共済加入者からの申出に対して、損害保険会社(共済組合)が支払基準に従った自賠責保険金(共済金)等の支払をしていない、または適正な情報提供手続に従っていないと認める場合には、自動車損害賠償保障法第16条の8(指示等)に基づき、損害保険会社(共済組合)に対して必要な指示を行います。
不安の解消やサポートにご活用ください

交通事故にあったときには
国土交通省では、交通事故に遭われた方を対象に各種制度や手続きの周知・ご案内を目的に「交通事故にあったときには」と題したパンフレットを作成致しました。突然の交通事故により、抱える課題は時間の経過とともに変わっていきます。その時々の状況に応じてこの冊子の情報をご活用ください。

交通事故被害者ノート
国土交通省では、自動車事故にあわれた方々に少しでもお力添えできればとの思いから、自動車事故被害者ご本人やそのご家族などが、事故の概要等の記録を残していただくこと、警察や自治体、民間被害者支援団体などで行われている支援制度を知っていただくことなどを目的とした「交通事故被害者ノート」を作成しました。事故被害者皆様の不安の解消やサポートにつながることを願っております。