コラム

先行取組自治体新潟県 糸魚川市

vol.14
ワーケーションの風景 ワーケーションの風景 ワーケーションの風景

親子ワーケーション

防災ワーケーション

ジオフードワーケーション

ジオツーリズム×ワーケーション

ワーケーションを取り組み始めた経緯は?

お試し移住を目的に市が購入した空き家の利活用のため、2019年度にワーケーションの調査研究を開始しました。JALが熊野古道の道普請を和歌山県のワーケーションの取組で実施しているという論文を読み、私たちの市にある塩の道でもそういった取組が実現できるかもしれないと考えたからです。
都市部の企業と里山の住民がテレワークという働き方を知り、こういった働き方が普及していくことで、雪深い当地でも通勤をせずに働くことができ、それが持続可能な地域運営にもつながると考えました。ワーケーションの取組を進めてきた現在でも、この考え方を大切にしています。

新潟県糸魚川市ならではのワーケーションの取組とは?

「親子ワーケーション」ではご家族を、「防災ワーケーション」では災害に関心のある企業・団体を、「ジオフードワーケーション」では食資源に関心のある企業・団体等、ターゲットを絞った取組を展開しています。
糸魚川市には、地質や石、考古学に精通した学芸員が市職員として在籍しており、ワーケーションでも連携しています。単にバケーションを楽しむだけでなく、ジオパーク学習を組み込んでいることが糸魚川市ならではの取組といえるのではないでしょうか。

ワーケーションの取組を続けるにあたって大切なこと、意識していることとは?

国内で初めてユネスコ世界ジオパークに認定された地域資源を活用すべく、“ジオツーリズム×ワーケーション”というコンセプトを最も重視しています。保全や教育等のジオパーク学習は、SDGsが目指す方向性と一致しており、持続可能なまちづくりとワーケーションの誘合を目指しています。こういったコンセプトのもと、関係人口を創出しながら、移住定住の促進やサテライトオフィスの誘致につながるよう、ワーケーションで知り合った方とのご縁を大切にしていきたいと考えています。糸魚川市は建設業と製造業が基幹産業で、女性の就職率が県内20市のうち最低値ですので、雇用創出の一面としてIT企業との接点づくりも目的の一つとしています。

ワーケーションによって生まれた効果は?

2022年6月に、新潟県内で初となる富士通グループとのワーケーション・パートナーシップ協定を締結できたほか、2023年2月にはこちらも県内自治体では初となる日本テレワーク協会主催のテレワーク推進賞を受賞することができました。
こういった連携や受賞を契機として、これまでになかった企業との接点ができました。地域課題をテーマとした実証実験も始まっていて、ワーケーションをきっかけとした地域と企業の共創の連鎖を今後も期待したいと考えています。

DATA

名称
新潟県 糸魚川市
所在地
新潟県糸魚川市一の宮1-2-5
ワーケーションに取り組み始めた年
2019年

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