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インド

不動産関連情報

不動産に関する法制度

土地・不動産の所有権

インドでは土地(およびその上に建つ建物)の私有が認められている。

ただし、インドでの土地の取得には、かなりの困難性が伴う。土地所有権者が容易に特定できず、政府が所有しているはずの土地でも別の者が所有を主張する場合もあり、トラブル・訴訟になり失敗する事例、政治が介入する事例なども少なくない。また、土地利用と不動産権利に厳しい制限が設けられているため、用途変更規制により、自由に土地を使えないことがある。

土地・不動産の登記

インドには不動産そのものを登記する制度は存在せず、政府は土地の権利証を発行しない。所有権の有無は、権利証ではなく、過去の売買契約を通じて確定される。

土地の取引の際には、取引に関する書類(例えば、売買契約書など)を原則として締結日から4か月以内に登記しなければならない。 1908年登記法(Registration Act,1908)によると、同法が定める一定の重要な取引行為等に係る文書については、州・地方レベルの登記所(Sub-Registrar of Assurances)で登記を行わなければならないと規定している。そのため、通常、不動産の売買を行った場合、売買契約書を登記して第三者対抗要件を備える。

具体的な登記手続きは、州によって異なるが、過去において登記されている土地と建物を購入するような一般的な場合でも、各種規制をクリアしているかどうかの審査や登記する売買契約書の準備、印紙税の支払い、登記所へ出向いての申請など、複数の手順を経る必要がある。また、これらの手順それぞれに費用と日数がかかる。

土地取得のために売買契約書を 30年、50年と遡り調査をしたとしても、それ以前の時期の所有を主張する者が現れ訴訟となるケースもある。

不動産の鑑定評価

不動産鑑定士は富裕税法令のもと国家資格として認められており、IOV(Institution of Valuers)という組織にて取得できる。銀行や団体など評価業務を行う者であっても必ず取得すべきものではない。当該資格を取得せずに評価業務を行っている会社は多い。

多くの民間企業は、現時点では英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(RICS:Royal Institution of Chartered Surveyors)に従っており、RICS基準とその資格者が、規範となりつつある。尚、不動産鑑定業者数は多くの小規模国内会社があり、詳細は不明である。

国は、2011年から国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の適応のため、IVSの導入に関心は示しているものの、積極的に取り組んでいるとは言えない状況である。

法制度が確認できるWebサイトの紹介

不動産事業を行う際の免許制度

不動産業者の免許制度

各州政府による不動産業ライセンスを取得する必要がある。

資格条件は各州により異なる。受験資格は複数年不動産会社に勤務した者。ライセンスは発行した州内のみ有効。従って、複数の州で不動産事業を行うためには州ごとにライセンスを取得する必要がある。ライセンス有効期間は各州の法令で決まっている。ライセンス取得試験に合格した者は、「National Association of Realtors (NAR) に加入する義務がある。

出典

土地・不動産の所有権

日本不動産鑑定士協会連合会「アジアの不動産諸事情の調査結果」(2013年3月)(p.1~6)


土地・不動産の登記

日本貿易振興機構(JETRO)「<インド法務情報>土地取得前に確認すべき法的諸注意点」(2012年1月)


不動産の鑑定評価

国土交通省「不動産鑑定評価基準の国際化に関する検討業務に係る調査報告書」(2011年3月)(p.83)

Institution of Valuers

不動産の取引に関する制度

不動産を取引する際の制度

一定規模以上の土地開発・建物建設を伴う不動産業については、政府ガイドラインに従うことを条件に、自動認可で100%まで外資出資が認められる。

未開発の土地の販売、建物の転売などについては認められていない。

〔不動産プロジェクトの登記〕

一定規模以上の土地開発・建物建設を伴う不動産業については、政府ガイドラインに従うことを条件に、自動認可で100%まで外資出資が認められる。 未開発の土地の販売、建物の転売などについては認められていない。 〔不動産プロジェクトの登記〕 不動産プロモーターは、見込顧客に対して不動産の売却を申し込む前に、居住用か商業用かを問わず、原則として一切の不動産プロジェクトを規制当局に登録する義務を負うこととなった。不動産プロモーターとは、大まかに言って、売却目的で土地又は建物を開発する者(会社等)、又は売却目的で土地又は建物を開発する開発当局その他の公的組織をいう。また、不動産プロジェクトとは、全部又は一部の売却を目的として、①建物又は賃貸マンションを構成する建物を開発すること、②既存建物の全部又は一部を賃貸マンションに改造すること、および③土地を小区画化することをいう。上記登録義務により、規制当局は不動産プロジェクトを網羅的に監視できるようになった。

消費者保護(インスペクション、瑕疵対応、その他)

一般に買主を守る制度がある。

中古住宅取引において不動産業者がインスペクション費用を負担する。

取引後に瑕疵が発見された場合、双方による話合いによって解決を試みる。不動産業者に責任があるとされる。

2016年3月25日に不動産取得者の保護を拡充する目的で、2016年不動産(規制・開発)法(以下「本法」という。)を制定。 本法により、不動産プロモーターは、開発した不動産の構造上の欠陥が顧客への引渡し後5年以内に発見された場合、当該欠陥を発見した旨の通知を受けてから30日以内に、無償で当該欠陥を是正する義務を負うこととなった。

不動産行政の方向性(新築・中古、長期・短期、持家・借家)

2016/17年度(16年4月~17年3月)予算案にて、低価格住宅に関して不動産開発業者、購入者、投資家の全てが恩恵を受ける施策を政府は打ち出した。国内の4大都市では最大30平方メートル、そのほかの都市では同60平方メートルまで住宅建設による利益の免税を認めることを盛り込んだ。2022年までに全国民が住宅を購入できるようにする構想の一環。

350万ルピーまでの住宅について、年間5万ルピーの住宅ローン利払い分について税金を控除する方針。

不動産金融(住宅ローンの実態、ローン審査、担保評価)

  • 住宅ローン
  •  固定金利、変動金利の両方がある。
  • ローン審査
  •  銀行は、借り手の月当たりの支出可能額に基づき返済能力を判断する。
  • 担保評価
  • 一般に築年数、立地条件、施設が評価される

不動産のリース(期間、延長・解除の是非)

  • リース期間
  •  11カ月が基本となる。
  • 解約の通知
  •  デポジットが1カ月分なら1カ月前、2カ月分なら2カ月前が一般的である。
出典

全般

スターツインディアHP「国・地域別に見る >輸出入・海外進出の実務 >デリーの住宅の種類と住宅選びのポイント&契約の手順


不動産を取引する際の制度

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 外資に関する規制


消費者保護(インスペクション、瑕疵対応、その他)

TMI総合法律事務所「2016年不動産(規制・開発)法


不動産行政の方向性

2016-2017年インド予算案


不動産金融

Reserve Bank of India「Frequenty Asked Questions Housing Loans

不動産に関する税制

不動産取得に関する税制

不動産の市場価格または実際の売買価格の高い額、または賃貸の予定支払総額に対して、一定の印紙税(Stamp Duty)および登録免許税(Registration Fee)を支払う。住宅の賃貸サービスはサービス税の対象外となっている。

〔印紙税〕

地方税で州によって課税率などが異なるが6~12%の範囲。

〔登録免許税〕

地方税で州によって課税率などが異なるが1~3%の範囲。上限額が1~2万ルピーと設定されていることが多い。

不動産保有に関する税制

固定資産税は、地方自治体(州政府、市当局)の専管権限であり、不動産の査定価格に基づき課される。

地方ごとに税率は異なり、1.0~5.5%程度である。

その他税制(租税条約等)

1989年、日印間で租税条約が締結されている。

源泉課税率は利子所得が10%、使用料および技術上の役務は10%である。

出典

不動産取得に関する税制

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 税制

NNA調べ(2016年11月)


不動産保有に関する税制

日本不動産鑑定士協会連合会「アジアの不動産諸事情の調査結果」(2013年3月)(p.7)


その他税制(租税条約等)

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 税制

不動産取引に関する外国人及び外国資本に対する規制

外資に関する優遇処置もしくは規制

外国企業のインド法人、支店およびプロジェクト・オフィスによる不動産の購入は可能。駐在員事務所については不可。外国人の個人所有 は認められていない。

土地売却による代金の海外送金の際は、インド準備銀行(RBI)への事前許可が必要となる。

外資参入の許認可制度

不動産業に対する許認可制度はない。

就労ビザ、長期滞在について

〔外国人就業規制〕

外国人の就業規制は特段ない。

〔在留許可〕

  • 到着時ビザ(Visa on Arrival:VOA)
  • 日本国民のみに、電子観光ビザに加えて2016年3月1日より導入。
  • 就労(Employment)ビザ
  • 原則、初回は2年有効の数次ビザが発給され、以後、1年ごとに最大3年まで延長可能。就労ビザあるいは帯同(Dependent)ビザを持つ日本人の在留許可期間は、就労(Employment)ビザと同じになったことにより、1年ごとの在留許可の更新は必要なくなった。
  • 日印社会保障協定(India Japan Social Security Agreement)
  • 2016年10月1日付で日印社会保障協定が発効。
出典

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 外資に関する規制

主要都市等における不動産マーケット情報

主要都市などにおけるマーケット情報

〔工業団地(土地)購入価格〕
アメーダバード
  • サナンド工業団地:60米ドル/m²
  • マンダル日本企業専用工業団地:42米ドル/m²
チェンナイ
  • ヴァラム・バダガル工業団地:49米ドル/m²
  • スリ・シティ工業団地:137米ドル/m²
ニューデリー
  • ニムラナ工業団地:47米ドル/m²
  • バワル工業団地:139米ドル/m²
ベンガルール
  • ナルサプラ・フェーズII:34米ドル/m²
  • ヴェームガル:39米ドル/m²
  • ヴァサンタ・ナラサプラ フェーズIII:27米ドル/m²
ムンバイ
  • チャカン工業団地:68米ドル/m²
  • スパ業団地:30米ドル/m²
〔工業団地賃料〕
アメーダバード
  • サナンド工業団地:2.6~3.6米ドル/m²月
ニューデリー
  • オクラ工業団地:12米ドル/m²月
  • マネサール工業団地:4米ドル/m²月
ベンガルール
  • ボマサンドラ:4.25米ドル/m²月
  • エレクトロニック・シティ:3.10米ドル/m²月
  • ビダディ:4.76米ドル/m²月
ムンバイ
  • 5.38米ドル/m²月
〔事務所賃料〕
アメーダバード
  • 8.52~13.58米ドル/m²月(家具付)
  • 7.58~10.18米ドル/m²月(家具なし)
チェンナイ
  • 13米ドル/m²月
ニューデリー
  • 22米ドル/m²月
ベンガルール
  • 19米ドル/m²月
ムンバイ
  • 47~68米ドル/m²月(家具付)
  • 43~51米ドル/m²月(家具なし)
〔市内中心部店舗スペース/ショールーム賃料〕
アメーダバード
  • 21~24米ドル/m²月
チェンナイ
  • 511米ドル/m²月
ニューデリー
  • 51米ドル/m²月
ベンガルール
  • M.G.ロード:41米ドル/m²月
  • ブリゲード・ロード:48米ドル/m²月
  • インディラナガル:32米ドル/m²月
ムンバイ
  • 47~87米ドル/m²月(家具付)
  • 39~63米ドル/m²月(家具なし)
〔駐在員用住宅借上料〕
アメーダバード
  • 1,263~2,210米ドル/月(家具付)
  • 710~1,815米ドル/月(家具なし)
チェンナイ
  • 1,421~2,368米ドル/月
ニューデリー
  • 1,579米ドル/月

    ベンガルール
    • 1,105~1,579米ドル/月
    ムンバイ
    • 1,579~5,525米ドル/月(家具付)
    • 1,263~3,946米ドル/月(家具なし)

    (調査実施時期:2017年12月~2018年2月)

取引履歴・物件情報等のデータベース化

出典

主要都市等におけるマーケット情報

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 投資コスト比較

不動産業者に関する情報

主な国内不動産業者

不動産業を展開する主な日系企業

  • スターツコーポレーション 等

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