アジアハイウェイ路線とその現状ブータンは2001年にAHプロジェクトに参加した。ESCAPは2001年11月にブータンに調査団を派遣し、その調査結果を踏まえて、首都ティンプーとインド国境のプンツォリンを結ぶ国道2号線を候補路線として選定したが、インドとの2国間協議が実施されていないことから、プンツォリン国境のみAH路線となっていた。しかし、2005年12月に開催されたAH専門家会合において、インド政府との2国間協議に基づきティンプーまでの路線をAHとしたいという意向がブータン政府から提示され、インド国境から首都ティンプーまでの区間がAH路線として認定された。ブータンにおけるAH路線の概要を表-1に示す。
表-1 ブータンのアジアハイウェイ路線
データ出典:Asian Highway Database 2005 ブータンのAH路線の現状は表-2に示すとおりである。現状では、全区間が山岳部の舗装1車線道路であり、大部分の区間でAHの最低限の設計基準を満たしていない。このため、ブータン政府は、インド政府の協力を得て、1車線区間の2車線道路への改良工事を現在実施中である。 表-2 ブータンのAH路線の現状
データ出典:Asian Highway Database 2005 日本の援助動向、日本との関係日本はブータンとの友好関係、並びにLLDCであること等を踏まえ、ブータンに対する援助を積極的に行ってきており、1987年以降ブータンに対する最大の二国間援助供与国となっている。近年の援助状況は、表-3及び図-1に示すとおりである。 表-3 ブータンに対する日本の援助の推移
図-1 ブータンに対する日本の援助の推移 ブータンの道路分野に対する経済協力の実績を表-4に示すが、道路分野への協力としては1987年に初めて道路建設機材を供与して以来、建設機械供与、橋梁架け替えに対する協力が行われている。 表-4 ブータンの道路整備に対する日本の協力実績
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