アジアハイウェイ路線とその現状
パキスタンにおけるアジアハイウェイ路線の概要を表に示すと共に、アジアハイウェイ路線網を図に示す。なお、パキスタンのアジアハイウェイ路線に関しては、2002年5月の専門家会合において、パキスタン代表からAH1号線のラホール~イスラマバード間について高速道路が完成したことから、その間を高速道路経由としたいという提案があり、専門家会合で了承された。同時に一部路線の路線番号が変更になっている。
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表-1 パキスタンのアジアハイウェイ路線
路線番号
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起 終 点
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延長
(km)
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選定基準
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AH1
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ワガ (インド国境)→ラホール→ラワルピンディ→イスラマバード→ハッサナブダル→ペシャワール→トルハム
(アフガニスタン国境)
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607
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*首都間連絡
*工業中心地/農業集積地連絡
*コンテナターミナル連絡
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AH2
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ラホール→ムルタン→ローリ→クェッタ→タフタン(イラン国境)
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1,828
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*首都間連絡
*工業中心地/農業集積地連絡
*コンテナターミナル連絡
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AH4
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クンジェラブ(中国国境)→(カラコルムハイウェイ)→ギルギッド→ハッサナブダル
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806
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*工業中心地/農業集積地連絡
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ローリ→ハイデラバッド→カラチ
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483
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*工業中心地/農業集積地連絡
*主要港湾連絡
*コンテナターミナル連絡
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AH7
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チャマン(アフガニスタン国境)→クェッタ→カラチ
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816
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*工業中心地/農業集積地連絡
*主要港湾連絡
*コンテナターミナル連絡
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AH51
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ペシャワール→デライスマイルカーン→クェッタ
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837
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*工業中心地/農業集積地連絡
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合 計 (5路線)
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5,377
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データ出典:Asian Highway Database 2005
また、アジアハイウェイの現状は表-2に示すとおりであるが、パキスタンのアジアハイウェイ路線は、すべて2車線以上の舗装道路となっているが、AH2号線及びAH51号線の一部区間は車道幅員がアジアハイウェイの基準より狭くなっている。
表-2 パキスタンのアジアハイウェイ路線の現状
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総延長
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舗装道路
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未舗装道路
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未開通
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路線番号
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(km)
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2車線
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1車線
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砂利道
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土道
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区間
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以上
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通年可
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四駆可
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AH1
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607
|
607
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
AH2
|
1,828
|
1,828
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
AH4
|
1,289
|
1,289
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
AH7
|
816
|
816
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
AH51
|
837
|
837
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
合 計
|
5,377
|
5,377
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
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比 率
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100%
|
100%
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
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データ出典:Asian Highway Database 2005
日本の援助動向、日本との関係
日本はパキスタンに対する主要援助国であり、94年は93年に続いてパキスタンに対する最大の二国間ODA供与国となった。95年までの支出純額累計でみると、パキスタンは第7位の受け取り国である。しかし、パキスタンがインドに対抗して98年5月に地下核実験を実施したことにより、新規無償資金協力及び円借款の停止を行った。表-3及び図-1にパキスタンに対する日本の援助の推移を示す。
表-3 パキスタンに対する日本の援助の推移 (支出純額、単位:百万ドル)
暦年
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贈 与
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政府貸付
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合 計
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無償資金協力
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技術協力
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計
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支出総額
|
支出純額
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1990
|
56.06
|
11.54
|
67.59
|
179.88
|
125.96
|
193.55
|
1991
|
74.13
|
12.67
|
86.80
|
109.51
|
40.55
|
127.35
|
1992
|
59.39
|
12.85
|
72.24
|
184.62
|
101.09
|
173.33
|
1993
|
74.64
|
14.38
|
89.02
|
203.89
|
99.48
|
188.49
|
1994
|
50.72
|
19.44
|
70.16
|
332.22
|
200.88
|
271.04
|
1995
|
57.84
|
20.26
|
78.10
|
315.19
|
162.92
|
241.03
|
1996
|
68.36
|
21.01
|
89.37
|
335.23
|
192.83
|
282.20
|
1997
|
42.80
|
15.54
|
58.34
|
172.00
|
33.82
|
92.16
|
1998
|
53.47
|
13.61
|
67.08
|
493.65
|
424.46
|
491.54
|
1999
|
22.85
|
11.82
|
34.66
|
135.07
|
135.07
|
169.74
|
2000
|
1.36
|
13.40
|
14.76
|
265.60
|
265.60
|
280.36
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図-1 パキスタンに対する日本の援助の推移
これら日本の援助の中で、道路整備関連の援助としては表-4に示すプロジェクトがある。これらのプロジェクトの内、全国総合交通計画調査は、第8次道路整備5ヶ年計画立案の基礎になった調査であり、また、インダスハイウェイはパキスタンの主要幹線道路の整備を行っているものであり、日本の援助がパキスタンの道路整備に大きな役割を果たしていると言える。
表-4 パキスタンの道路整備に対する日本の協力実績
アジアハイウェイ
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案件名
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援助の種類
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年次
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金額
(百万円)
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ラホール都市圏総合交通システム開発計画
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開発調査
|
1990-91
|
-
|
○
|
全国総合交通計画
|
開発調査
|
1993-94
|
-
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北西部辺境地域橋梁建設計画
|
無償資金協力
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1992-94
|
2,580
|
|
北西辺境州道路建設機材整備計画
|
無償資金協力
|
1992-93
|
1,013
|
○
|
インダスハイウェイ計画
|
有償資金協力
|
1988
|
-
|
○
|
インダスハイウェイ計画(II)
|
有償資金協力
|
1990
|
-
|
○
|
インダスハイウェイ計画(II
B)
|
有償資金協力
|
1993
|
18,214
|
○
|
コハットトンネル建設計画
|
有償資金協力
|
1993
|
5,437
|
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