アジアハイウェイ路線とその現状
インドネシアのアジアハイウェイ路線に関しては、1993年ネットワーク再編で大きく見直しがなされ、ジャワ島に2路線設定されていた路線が1路線に集約され、またスマトラ島の路線もスマトラ縦貫道路の完成により路線が変更された。2002年5月のネットワーク見直しのための専門家会合では、インドネシア代表から、ジャカルタ~メラク間をAH25からAH2に変更することが提案され、了承された。なお、AH2ではバリ~ジャワ間、AH25ではスマトラ~ジャワ間の海上フェリーがアジアハイウェイ路線となっている。下表に新規のアジアハイウェイ路線の概要を示すとともに、インドネシア国内のアジアハイウェイ路線を下図に示す。
表-1 インドネシアのアジアハイウェイ路線
路線番号
|
起 終 点
|
延長(km)
|
選定基準
|
AH2
|
デンパサール→バニュワンギ→スラバヤ→スラカルタ→スマラン→チレボン→チカンペック→ジャカルタ→メラク
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1,438
|
*工業中心地/農業集積地連絡
*主要港湾連絡
|
チカンペック→バンドン
|
107
|
AH25
|
バンダアチェ→メダン→ドゥマイ→ペカンバル→ジャンビ→パレンバン→バカフニ→メラク
|
2,570
|
*工業中心地/農業集積地連絡
*主要港湾連絡
|
|
合計
(2路線)
|
4,115
|
|
データ出典:Asian Highway Database 2005
インドネシアのアジアハイウェイ路線はAH25の一部区間が1車線の舗装道路(201km)ならびに砂利道(134km)である以外は、2車線以上の舗装道路となっている。但し、長大架橋計画があるものの、現時点ではジャワ~バリ間及びジャワ~スマトラ間はフェリーによる連絡となっている。
表-2 インドネシアのアジアハイウェイ路線の現状
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総延長
|
舗装道路
|
未舗装道路
|
海上
|
未開通
|
路線番号
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(km)
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2車線
|
1車線
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砂利道
|
土道
|
フェリー
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区間
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|
|
以上
|
|
|
通年可
|
四駆可
|
|
|
AH2
|
1,545
|
1,537
|
-
|
-
|
-
|
-
|
8
|
-
|
AH25
|
2,570
|
2,209
|
201
|
134
|
-
|
-
|
26
|
-
|
合 計
|
4,115
|
3,746
|
201
|
134
|
-
|
-
|
34
|
-
|
比 率
|
100%
|
91.0%
|
4.9%
|
3.3%
|
-
|
-
|
0.8%
|
-
|
データ出典:Asian Highway Database 2005
日本の援助動向、日本との関係
インドネシアは、援助額では長い間日本の援助対象国のトップの座を占めていたが、経済発展が順調なインドネシアに対する日本の援助は1993年から減少傾向に転じ、援助対象国でも1993年にトップの座を中国に譲り渡し、第2位となっている。また、インドネシアにとって日本は最大の援助国であり、96年の支出純額シェアで90.9%に達している。さらに、ルピア下落による経済危機、スハルト政権の交代による社会的混乱を踏まえ、日本は、1998年2月にインドネシアに対する構造調整支援のための円借款供与および緊急無償援助の実施を発表している。インドネシアに対する日本の援助の推移を表及び図に示す。
表-3 インドネシアに対する日本の援助の推移 (支出純額、単位:百万ドル)
暦年
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贈 与
|
政府貸付
|
合 計
|
|
無償資金協力
|
技術協力
|
計
|
支出総額
|
支出純額
|
|
1991
|
79.73
|
133.07
|
212.80
|
1,169.73
|
852.71
|
1,065.51
|
1992
|
85.73
|
141.72
|
227.45
|
1,469.06
|
1,129.26
|
1,356.71
|
1993
|
67.61
|
157.93
|
225.54
|
1,303.45
|
923.35
|
1,148.89
|
1994
|
72.28
|
177.69
|
249.97
|
1,084.37
|
636.20
|
886.17
|
1995
|
66.46
|
203.67
|
270.14
|
1,155.14
|
622.28
|
892.42
|
1996
|
71.17
|
163.31
|
227.72
|
1,234.15
|
737.81
|
965.53
|
1997
|
93.66
|
148.39
|
214.96
|
739.61
|
281.90
|
496.86
|
1998
|
208.84
|
123.99
|
238.59
|
1,034.51
|
589.88
|
828.47
|
1999
|
54.90
|
130.80
|
231.34
|
1,994.04
|
1,374.49
|
1,605.83
|
2000
|
74.50
|
144.60
|
196.67
|
945.66
|
773.43
|
970.10
|
図-1 インドネシアに対する日本の援助の推移
また、インドネシアの道路整備に対する日本の過去の協力実績をまとめて表に示す。インドネシアに対しては、長年にわたり道路整備関連の開発調査、有償資金協力が実施されてきており、インドネシアの道路整備にとって、日本の協力は大きな役割を果たしてきている。
表-4 インドネシアの道路整備に対する日本の協力実績
アジアハイウェイ
|
案件名
|
援助の種類
|
年次
|
金額
(百万円)
|
○
|
北部スマトラ地域総合開発計画
|
開発調査
|
1987-89
|
-
|
○
|
ジャボタベック圏総合輸送システム改良
|
開発調査
|
1987-89
|
-
|
○
|
チカンペック~チレボン有料高速道路計画
|
開発調査
|
1987-89
|
-
|
|
ボゴール~バンドン道路整備計画
|
開発調査
|
1988-89
|
-
|
○
|
スラバヤ~モジョクルト有料道路計画
|
開発調査
|
1989
|
-
|
○
|
南部スマトラ地域総合開発計画
|
開発調査
|
1990-92
|
-
|
○
|
スマトラ東海岸道路整備計画
|
開発調査
|
1990-92
|
-
|
○
|
ジャカルタ都市圏都市幹線道路網整備計画
|
開発調査
|
1992-96
|
-
|
|
西部カリマンタン地域総合開発計画
|
開発調査
|
1995-96
|
-
|
○
|
スラバヤ都市圏幹線道路網整備計画
|
開発調査
|
1995-96
|
-
|
|
中央及び南東スラウェシ道路網整備計画調査
|
開発調査
|
1996-97
|
-
|
|
ジャカルタ首都圏総合交通計画調査
|
開発調査
|
2000-01
|
-
|
|
地方及び都市道路改良事業
|
有償資金協力
|
1990
|
16,772
|
○
|
東部ジャワ・バリ島フェリーターミナル緊急整備事業
|
有償資金協力
|
1990
|
4,219
|
|
道路維持整備事業計画
|
有償資金協力
|
1991
|
4,043
|
○
|
幹線道路整備事業計画
|
有償資金協力
|
1991
|
11,992
|
○
|
道路網修復事業(第3期)
|
有償資金協力
|
1993
|
20,302
|
○
|
南西アチェ北伸部道路建設事業
|
有償資金協力
|
1994
|
10,902
|
○
|
12州橋梁修復事業
|
有償資金協力
|
1995
|
14,141
|
○
|
幹線道路補強事業(II)
|
有償資金協力
|
1996
|
10,240
|
○
|
道路維持整備事業(II)
|
有償資金協力
|
1996
|
7,300
|
|
地方道路整備事業
|
有償資金協力
|
1996
|
16,256
|
○
|
スマトラ東海岸道路整備事業
|
有償資金協力
|
1997
|
6,652
|
○
|
都市内幹線道路改良事業
|
有償資金協力
|
1997
|
12,558
|
|